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存在するけど、存在しない!?

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いつ買ったかも思い出せないほど、未読エリア住人@本棚となっていた、「黄金比はすべてを美しくするか? ―最も謎めいた「比率」をめぐる数学物語」を読み始めました。
まだ黄金比の背景を描いた2章を読み終えたところでこれからが本題なのですが、早くも目から鱗でしたのでご紹介。

「無理数」というものを聞いたことはあるでしょうか。整数(1,2,3…)や分数(1/2,5/8…)などで表せない数です。ただの割り切れない数ではありません。
たとえば2/3は0.66666666…と割り切れませんが、分数で2/3としっかり表すことができます。
有名なものでは円周率(3.1415926535…)や√2(1.41421356…「一夜一夜に人見頃」)、そして黄金比(1.61803398…)などがあります。これらは分数でも表すことができません。

私自身は今までこの「無理数」、とくに最初に習った円周率に関していまいち解せないところがありました。
それは、「割り切れるかもしれないじゃん」という可能性が残っていたからです。「絶対になにがあろうと割り切れない」なんて証明しない限り、いつか割り切れるかもしれないではないかと。
今現在計算され明かされた円周率は1兆桁を超え、その先も計算中であるのでしょうが、この先いつか何十兆桁、何百京桁のところでぷっつりときれいに割り切れてしまうかもしれない。そう考えていたわけです。

ところがどっこい。本書では無理数の証明が分かりやすく書かれていたのです。
それは√2を使ったものでしたがこんなものです。

辺の長さ1の正方形があったとする。この正方形の対角線は√2である。(前提なので省略しましたが、√2であることの証明はピタゴラスの直角三角形の定理「a2+b2=c2」を使えばOK。)
さて、√2はどんな整数の比(1/2,6/11など)でも表すことができない、つまり無理数なのか?

仮に表すことができるとする。(仮に無理数ではない、分数で表現できるとする。)
すると √2=a/b と表現できる。
このaとbに公約数があればその公約数で約分する。
(たとえば 3/6 なら公約数3で 1/2 とできますね。)
そして得られたもう公約数のない比を p/q とする。
なお、pとqの両方が偶数というのはありえない。両方が偶数だったら公約数2が存在する。(ポイント1
こうして p/q=√2 が得られる。ここからが本番。are you ready?

ここで両辺を二乗してみる。
p2/q2=√22
平方根を二乗するわけだから、
p2/q2=2

さらに両辺に q2 をかけてみる。
p2=2q2
さて、この右辺は偶数になるはず。どんな数でも2をかければ偶数になるので。
するとそれに等しい p2 も偶数になる。
つまり pは偶数である(二乗して偶数になるのはもともと偶数でないとできない)。(ポイント2
pが偶数ならば、qは奇数でないといけないポイント1参照)。(ポイント3
pが偶数ということで、pは2rと表すことができる。なんらかの偶数、ということ。
これをさきほどの p2=2q2 に当てはめてみる。
(2r)2=2q2
4r2=2q2
両辺を2で割ると、
2r2=q2
ここでポイント2を見てほしい。ここと同じ。
なんらかの偶数に等しいq2。つまりqも偶数になるはずである。(ポイント4

あれ? ポイント3を見ると… qって奇数じゃないといけないんじゃなかったっけ?
まとめると、
  ポイント1: pとqの両方が偶数というのはありえない。
  ポイント2: pは偶数である。
  ポイント3: qは奇数でないといけない。
  ポイント4: qも偶数になるはずである。

ポイント1、2、4は相容れません。つまり、矛盾している、ということが証明されたわけです。
なにが間違っていたのか?
最初の仮定、「√2=a/b と表すことができるとする」、これです。

こういう証明の仕方、仮定が間違っていることを証明し、「仮定は間違い、よって~。」というやり方を背理法というんだそうです。(そういや習った気がするよ。)

はっきり言って、感激した!!!
感動した!!!(小泉さんになりきって。)

なんとまぁビューティフォー。無理数を証明することができたなんて!
円周率を習った頃より抱いていた疑念が雲散霧消です。
だいたい「円周率、いつか割り切れるかもしれないじゃん」というしごくもっともな疑問を置き去りにして「割り切れないのでπと表すよ」なんて教わっても得心いかぬわね。
思うに、これ円周率を教えるときには必須じゃないかな。無理数が存在することの証明。
いやぁ、数学って美しいねぇ、やっぱり。惚れ惚れしてしまった…。

また、円周率に関しては、無理数であることは証明されましたが、繰り返すかどうかはまだ分かっていません。
つまり、ある時点から3141592…と最初に戻ってループにはまるのか、また別のループが出現するかどうかは分からない。
もしかしたら何百兆桁という数列が繰り返すかもしれない。そう考えるとロマンですね。

無理数。存在するけど、表すことはできない。あるのに、手にできない。
というわけで、ものすごくロマンティックな数学物語本、読み進めていきます。
ちなみに冒頭の写真は約黄金比サイズです。

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黄金比はすべてを美しくするか? ―最も謎めいた「比率」をめぐる数学物語

  • Posted at 05:36 on Jun 24, 2007
  • | 2 Comments

2 Responses

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  • miki says:

    感動ですっ(笑)!
    だけど思ったよりもシンプルな計算式で証明できるのにびっくりでした。
    理数系大好きな私にとってこういう本はとても興味深いです。
    (今度チェックしてみまーす。)

    無理数、、、って
    それだけでかなり神秘的というか、

    宇宙は今も膨張し続けてることとか、
    (はじまりも)終わりがなく(アルファでありオメガであり・・・)とか、
    時ってなんだろう、とか、
    いろいろ、人間の理解を遥かに超えてるものについて
    頭の中、ぐるぐると考えてしまいましたよ(^-^)。

    絶対にできない、ということを証明するって
    面白いなぁとも。

  • 感動だよねっ!
    こういうのゾクゾクするというか、かなり興奮します。
    この本おすすめ!

    時間の流れ方も物体の動くスピードによって変わるわけで、
    そうするとそもそも時間の速さってなんなんだろう、とか。