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許可を得た転載は無害か?

先日「ガジェット通信」というウェブサイトから寄稿の申し出がありました。

ガジェット通信[getnews.jp][ 1 ]

ちなみに寄稿の依頼として指定された記事はこちら。

僕が Amazon.co.jp を使わなくなった理由。 : *n.on.log – October 11th, 2010

ガジェット通信には「寄稿」というコーナーがあるようです。ところが実際に幾つか寄稿記事を見たところどうも様子がおかしい。すると案の定「寄稿」ではなく「許可を得た上での全文転載」でした。
寄稿とは簡単に言えば「依頼者のために原稿を(新規に)書いて寄せる事」なので、既存の記事をそのまま掲載するこの場合は「寄稿」という表現は適当ではないと思います。

き‐こう【寄稿】‐カウ
?名?スル 依頼されて、新聞や雑誌などに原稿を書いて送ること。「雑誌に?する」

「大辞泉」より

この表現の問題は置いといて、もう少しこの件の本質的なところを考えたいと思います。
「転載」というと昨今話題になるのは大方が「無断転載」というものです。最近では2ちゃんねるのまとめブログなどが記憶に新しいところです。2ちゃんねるに掲載されているコンテンツ(スレッドや書き込み)を無断転載した上で儲けるというスタイルが2ちゃんねるから公式に禁止されました。

上記の「寄稿」について、Mac に搭載されている辞書アプリ「大辞泉」から引用しましたが、これがもし常識的な範疇を超えた転載であるならば当然私も無断転載の責を問われる事になります。このあたりは厳密に「何文字までが引用、それ以上は転載」という括りがあるわけではないので「常識的な範囲で」と私は解釈しています。

cf. 引用 – Wikipedia


閑話休題。
今回の依頼では「転載元に許可を得た上での全文転載は全く問題が無いか?」という問いが焦点となりました。結論から述べると「ウェブ上においては問題がある」との結論に達しました。
依頼への返答でまとめたのですがそれが分かりやすいかもしれません。「転載」します(笑)。

ガジェット通信 編集部 ○○様

初めまして、ichijo.nori こと一條と申します。
この度は貴サイトへ拙記事掲載のお申し出、ありがとうございました。
評価いただき嬉しく思います。

そこで寄稿のご依頼ですが、申し訳ありませんが今回はお断りさせてください。
理由は主に二点あります。

以下の文において分かりやすくするため
・「私が公開したオリジナル記事」を【甲】
・「寄稿した場合に貴サイトに公開される記事」を【乙】
とさせていただきます。

/////////////////
1. 記事内容に責任を持てなくなる恐れがある
【甲】は2010年10月に公開したものですが、ありがたいことに今でも多数のアクセスがあり
そのため内容に深く関わるであろう情報については度々追記という形でアップデートしております。
また内容が内容だけに当記事のコメントには様々なご意見が寄せられました。
その都度読者のご意見に事実誤認があれば訂正し、
誤解されておられる方には説明のコメントをさせていただいております。

これが貴サイトに掲載されるとなると、私の拙ブログとは比べものにならない
多数の方の目に触れるであろうことは想像に難くありません。
この場合私から【乙】に対する読者のレスポンスをフォローすることができません。
私が間違った情報を載せていたとしても読者のご指摘が私の元に届かない、というケースが考えられます。

また内容に変更があった場合(極端な例ですがアマゾンが日本に法人税を納めることにした場合等)には
当然ながら私には正確な情報の追記責任があると考えます。
そのとき【乙】について、私は訂正や追記を行うことができるのか不明、という懸念もあります。

—————–

2. 重複コンテンツの問題
こちらがより重要な理由になります。
「寄稿という形で(中略)転載」とのことですが、
ご存じかと思いますが、引用の範疇を超えた転載は一般的に
各検索エンジンのインデックスポリシーから嫌われる行為でして
最悪の場合には【甲】と【乙】どちらかの記事が検索結果からバンされる(外される)恐れがあります。
そこまでいかなくてもどちらかの検索結果順位が相当下げられることは十分考えられる行為です。

このときに「どちらが初出記事であるか」は検討材料にならないことが今までの事例から窺われ、
オリジナル記事がどちらであるかの判断は完全に各検索エンジンの運用者に委ねられているのが現状です。

参照元記事の URI (この場合は【甲】)を明示する META タグ(*)や
転載先記事(この場合は【乙】)での noindex (**)が使用されていればこの点の心配は軽減されますが
寄稿記事のソースを確認させていただいたところ、このようなメタタグは見つけられませんでした。
(*) 例: <meta name=”original-source” content=”http://www.foo.com/bar.html”>
(**)例: <meta name=”robots” content=”noindex”>

この重複コンテンツの問題が残されたまま、寄稿という名目の元に転載を行うのは
貴サイトと私双方にとって良い結果を招くとは言えない、というのが私の結論です。
/////////////////

理由は以上です。

評価いただきさらには掲載のお申し出をいただいたことには重ね重ね御礼申し上げます。
ありがとうございました。
しかしながら上記のような理由により、今回はお断りさせていただきたく存じます。
ご期待を裏切る返答で恐縮ですが、ご理解いただけば幸甚です。

末筆ながら、貴サイトの執筆者様による独自の記事にて
私の記事の紹介、リンクなどは何も問題はありませんし歓迎いたします。
その際にはご確認は不要ですので、ご自由にお取り計らいください。

(以下略)

要するに1つめは「転載するコンテンツの管理責任が分散する」ことの問題、2つめは「オリジナルコンテンツが不明瞭になる」ことの問題です。

1つめについて言えば、内容を訂正する必要が出た場合、また削除したい場合、自分の管理するウェブサイトのみであれば話は簡単ですが、転載を許可した場合にはそれに留まりません。
転載先の記事(この場合ガジェット通信に掲載される記事)について執筆者が関与できるのかが不明確です。
このメールに対して了承した旨のご返答をいただきましたが、訂正・追記・削除依頼などを行うことができるのかについては触れられていませんでした。この点は「寄稿」コーナーのガイドラインに明記すべき点だと思います。

2つめは、対処の方法は明確です。ガジェット通信に掲載分の記事について「オリジナルコンテンツ*ではない*ことを明示」すれば良いのです。しかしその場合、ガジェット通信の「寄稿」記事は検索エンジンからは存在しないもの、または二次メディアとして記録されることになります。おそらく収益に関わるこの点はガジェット通信としては承服しかねる措置でしょう。


「ガジェット通信 寄稿」などのキーワードで検索するとこの問題により深く言及されておられる方が多くいました。

ガジェット通信 寄稿 – Bing[bing.com]
記事をBLOGOSやガジェット通信に「寄稿」するのはブロガーにとって百害あって一利なしか? :Heartlogic[heartlogic.jp]
ガジェット通信さんに記事の「寄稿」について2つの提言があります – 脱社畜ブログ[hatenablog.com]

勿論転載を許可することによって、自分のコンテンツがより多くの方の目に留まることの益も大いにあると思います。しかし忘れてならないのはその事によって「失うものもあるかもしれない」という視点です。
このことはおそらく転載依頼を受けた執筆者各人がよく考えて判断する必要のある問題だと思います。依頼を受けた際には、少し時間をおいて冷静に考えてみると良いかもしれません。

  • Posted at 14:55 on Feb 21, 2013
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