「ヨルムンガンド」が面白い

ヨルムンガンド

漫画「ヨルムンガンド」。今年の4月からアニメ化されています。
とは言うものの、アニメで知った作品。私はテレビを持っていない&家のもほとんど観ないのでアニメというとウェブ配信か Blu-ray を購入して観るというスタイルです。
アニメ・ヨルムンガンドは「バンダイチャンネル」で配信されておりそこで初めて知った次第。

TVアニメ「ヨルムンガンド」公式サイト[jormungand.tv]
TVアニメ「ヨルムンガンド」公式 – Twitter[twitter.com]
「ヨルムンガンド」 | 【アニメ】はバンダイチャンネル[b-ch.com]

ぶったまげましたね。正直最初はまったく期待していなかった作品なのです。作品名すら初めて聞いたどころか、前評判もさっぱり聞きませんでした。
んが! んがですよ、観始めたらこれが面白いのなんのって。あっという間に今クール(アニメの放映は3ヵ月単位の「クール」に沿って行われる)ぶっちぎりで楽しみな作品になりました。バンダイチャンネルで配信される毎週土曜日午前零時は F5 連打待機ですよ。

たまらず原作の漫画も買いました。全巻セットなるものがあったので迷わずそれを。

ヨルムンガンド 全11巻セット完結 サンデーgxコミックス|エルパカBOOKS[hmv.co.jp]

主人公は戦争で両親を殺された元・少年兵、ヨナ。
そして彼を私兵として雇った若き武器商人、ココ・ヘクマティアル。

父さん、母さんを殺したのはああいう試作型の戦闘機、新型の爆弾――
武器を考える奴、造る奴、売りさばく奴、使う奴。

僕は永遠に憎む。

そんな気持ち、神は知ってか知らずか……
ココ・ヘクマティアルと名乗った若いウェポン・ディーラー。

僕は武器商人と旅をした。

―ヨルムンガンド 第1話「炎兎」より

そこから物語は始まるのですが、作品を通してひとつ思うのは「バランスがいい」ということ。
武器商人と戦いの場を旅するので血生臭い面もあるのですが、そこが特にフィーチャーというわけではありません。生々しい描写が売りの戦争漫画もありますが、そういうのはありません。マニアックな面もない。
むしろギャグも含まれるし、重い雰囲気というのは作品中に漂っていません。不思議な作風です。
物語の核としてはやはり「武器商人と旅をした」、それに尽きる感じがします。ココにはヨナを含めて9人の私兵がいるのですが、それぞれにスポットを当てたお話があります。これがいいんですね、皆魅力的で。「いい話」をやろうとしていないところがまたいい。
絶妙な匙加減、作品作りにそんな機微を感じます。そういう意味でとてもドラマティックな作品です。

そして漫画は全11巻なのですが、ヨナの変化、いや成長が物語の芯にあったのだなあと感服させられました。
物語の序盤の山場にこんなシーンがあります。ココが殺し屋に狙われるのですが、ヨナはココを守るために突撃を仕掛けます。「少年兵」らしい無謀な戦い方です。それを私兵の中のリーダー的存在のおっさん[#1]「レーム」氏が邪魔をしてやめさせるんですね。せっかく殺し屋を仕留められるところだったのに何をするんだと怒鳴るヨナにレームが言います。

確かに仕留められただろーよ、だが君も死んでたね。
邪魔されてムカつくか? 俺はそれ以上にムカついてるぜ、少年兵の戦い方ってのは本当に頭にくる!

いいか、覚えろ。
この小隊(ウチ)は「殺し合い」なんてやらない。やるとしたら一方的な「殺し」。
捨て身の突撃が必要な状況は、訓練に訓練を重ねたテクニックで補え。

そして忘れろ、少年兵を。

―ヨルムンガンド 第7話「ムジカ・エクス・マキーナ phase.2」より

物語終盤[#2]でのココを止めようとするヨナの目つきと、この旅を始めて間もない頃の迷いのない獰猛な目つきとの対照が印象的でした。ああ、ヨナは変わったんだなぁと。
あとココの兄であるキャスパーが最後にヨナに送る言葉。このレームの言葉とリンクしてブルッと来ちゃいましたね。

ヨナとココの旅に、幸があらんことを。

  • Posted at 23:56 on Jun 09, 2012
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