映画 GRAVITY にみる、3D の日常性

GRAVITY
プログラムは買わなかったのでポスターをぱちり。

映画、GRAVITY を観てきました。邦題は「ゼロ・グラビティ」ですが、私は原題通り「GRAVITY」が良い気がします。作品として。

http://gravitymovie.warnerbros.com/[warnerbros.com]
http://wwws.warnerbros.co.jp/gravity/[warnerbros.co.jp]

昨今 3D 映画が一般的になりましたが、私は観たことがありませんでした。演出効果のひとつとしか捉えていなかったので、特に 3D 映画だからという理由で観る気にはなれませんでしたし、3D 映画が出てきた(おそらく)この3~4年は映画もあまり観なかったので。元々あまり映画は観ないのですが、結局今回 GRAVITY が初めての 3D 映画鑑賞となりました。

これは観ていない人間の妄言ですが、おそらく 3D、3D と注目を集めていた映画は「3D であること」に価値があったのではないでしょうか。そこに驚きだとか、今までになかった映像体験とか。「3D であること」が大事なのでずいぶん派手な演出もあったのではないかなと察します。「んなこたーない」だったら失礼しましたですが、なんとなくそういうのは観なくても分かります。別にそういうのが悪いわけではなく、エンターテインメントとしてはあってもいいと思います。ただそういうのを売りにした映画は「まぁ観なくてもいいかな」と感じていたのも事実です。


そんな私が観た GRAVITY の 3D。
それは意外にも「普通だな」というものでした。これは「大したものではないな」という意味での「普通」ではありません。馴染んでるな、とか当たり前だな、という意味での普通です。私自身、抱いたこの感想にはちょっと驚きでした。

この映画においては、「3D 表現であることが当たり前」のように感じられました。
この映画の舞台は宇宙です。宇宙空間では重力がないため、固定していないものは漂います。その辺のスパナだとか、ペンだとか、水滴だとか、そういうのがふわふわと漂うのです。それが自然に 3D 表現と調和していました。言ってみれば、それは宇宙空間での「日常の光景」なのです。驚きだとか迫力だとかとは違う日常性。それが「この映画は 3D で観るべきだな」と思わせるほど自然に馴染んでいました。
漆黒の闇と静寂。その中で説得力があるんですよね。宇宙と 3D は相性いいのかも、と思いました。

3D 酔いというのを以前から聞いてはいたので自分に合うかどうか少し心配だったのですが杞憂でした。何しろ他の 3D 映画を観たことがないので比較もできないのですが、違和感を感じることすらなかったです。


この映画の魅力を一言で言えば「宇宙遊泳」でしょうか。実は私は宇宙に行ったことがないのですが、「これは宇宙だわ」と思いました。いやほんとに。
90分間、2,200 円で宇宙に行きたいな、と思った方は是非。
3D 映画には2種類あって「普通の 3D」と「IMAX 3D」というのがあるようです。事前の評判で「可能なら IMAX で観るべし」という声を聞いていたので IMAX で観ました。普通のより料金高いですが、たぶんこっちのほうがお薦めです。ある方は「今まで観た 3D 映画を IMAX で観直したい」とも。

なんというか、ほんとに宇宙なんですよ。これ。


本作についての記事。なかなか興味深いです。私は「観る前はポスターも予告映像もできるだけ観ない」ようにしているので鑑賞後に読みましたが、あまり気にしない方は観る前に読んでも大丈夫かと。
実はここまで記事を書いてから読んだのですが、なんとなく私の感想と似ている部分もあって面白いですね。

【本田雅一のAVTrends】「ゼロ・グラビティ」に見る新しい3D映画の可能性 – AV Watch[impress.co.jp]

  • Posted at 23:17 on Dec 18, 2013
  • | No comments yet

Response

  • 現在、この投稿へのコメント/トラックバックは受け付けていません。