ここまで共感できる作家はいるだろうか?

自分はぜんぜん読書家じゃなくて、新しい小説とか本とかほとんど読まないです。
その中で村上春樹さんだけは大好きで、文庫本はほとんど全部持ってるし、ときどき思いついたみたいに読み返したりします。全部読むんじゃなくて好きなシーンをところどころ拾い読みする、ということが多い。

最近再び読んですごくよかったのを紹介。

「あなたは二十歳の頃何をしてたの?」
「女の子に夢中だったよ」一九六九年、我らが年。
「彼女とはどうなったの?」
「別れたね」
「幸せだった?」
「遠くから見れば」と僕は海老を呑み込みながら言った。「大抵のものは綺麗に見える」
―「1973年のピンボール」

初期作品の「僕」は大好き。自分とぴったり重なる。考え方とか。そのあまりの共通感は衝撃でした。
上のなんて感動でよだれが出ます。(笑) よだれが出るくらいウマいなと思わせる台詞、春樹作品の醍醐味です。ほかの作家では味わえない。

もうひとつ。

「目に見えるものがほんとうのものとは限らない」
―「かえるくん、東京を救う」(「神の子どもたちはみな踊る」に収録)

ほんとに力強い言葉だと思う。じっくりと心にしみていく言葉。

  • Posted at 17:38 on Jul 21, 2005
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