視点の転換

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チャールズ M. シュルツ スヌーピーたちの心の相談室(1) 楽天家になる法

先日買った”PEANUTS”の文庫本、「スヌーピーたちの心の相談室(1) 楽天家になる法」を読みました。まともに”PEANUTS”を読んだのは初めてでしたが、彼らに魅了。

なにを解決するわけでもないし、なにかを追い求めているわけでもない。
ハッピーエンドが待っているわけでもないし、なにか揺らぐことのない信念があるわけでもない。

それでも一話・数コマの中の彼らのなにげないやりとりは、読み手の心にすーっと入ってきておだやかな空気を残して消えていきます。
そしてふと気づくと「そうだよな」と見逃していたなにかに気づいたりする。
それはあるいは視点だったり。なにかの基準だったり。大したものだと思っていたものが大したことではないように見えたり。

でもそれらは登場人物たちが訴えかけるのではなくて、読み手(つまり自分)が読んでふと湧きあがってくる感情。
直接自分に対しては出てこない思いや考え方が、スヌーピーたちに向かって芽生え出て、「あ、これは自分のことではないか」と気づく。不思議。

おすすめです。読んだのはシリーズもののようなのでほかのも読みたいなと思いました。
スヌーピーとウッドストックのやりとりがほのぼので好きです。

  • Posted at 22:51 on May 24, 2006
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YEN TOWN BAND ”MONTAGE”

いつまでも残る余韻…。
前にもあとにもこの1枚のみ。まさに珠玉の35分間。

YEN TOWN BAND、”MONTAGE”。

そもそもYEN TOWN BANDとは、90年代中頃(ちょうど私の中学時代)に小室哲哉とともにプロデューサーブームを築いた小林武史と、中毒性をもつ歌声を奏でる歌姫、CHARAによるコラボレイトバンド。
そしてそれは、映画「スワロウテイル」(映画は観ていません)に登場する架空の無国籍バンド。このあたりの演出、うまいですね。

作品としてはアルバム1枚、一回ぽっきりなわけですが、この”MONTAGE”がよい。
今聴いてもその輝きの片鱗はまったく色褪せていない。それどころかますます濃縮された甘みと苦味を持つ作品に成長していきます。
懐古主義者ではありませんがどうしても感じてしまう。もうこんなに美しくも儚い名盤は出ないのかと。

ところで「Swallowtail Butterfly~あいのうた~」、これは父親との親子愛のように感じるのですがどうなんでしょう。
個人的には「小さな手のひら」がとても好きです。

全8曲。35分44秒間。
そのあいだは、アゲハチョウが自由に舞うのです。
そしていつも、見たこともない蝶を目にした少年のように、呆然とただただ夏の陽の下立ちすくんでしまうのです。虫取り網を握り締めたまま。

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YEN TOWN BAND “MONTAGE” (1996年作品)

重層

昨日見た夢はずいぶんと不思議な感覚でした。
自分は夢の中でも考え事をしていることがあって、作品を創っていたりする。(夢で詩や台詞、物語を創ったりしている。全然休んでない。(笑))

昨日のは初めての体験。
夢の中で物語を創っている。
その物語の中の自分がまた夢の中で物語を創っていた。
つまり3重構造の世界。

向き合わせた鏡の世界のような。不思議な感覚。
本当の自分は誰だったのでしょう。

  • Posted at 01:01 on May 23, 2006
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山口由子 ”Hotel Scandinavia”

ちょっと自分が気になる1枚を紹介したいと思います。別に熱中はしていないけど、ずーっとあるところに引っかかり続ける1枚。
山口由子、”Hotel Scandinavia”。

これは本当に不思議な1枚です。
泣くほど感動的なものでもない、特別心の琴線に触れるわけでもない。
それでも、「もういいから売ろう」とは思わない。なんだか分からないけれど、ずっと手元に取っておきたい。

そもそもこのCDを買ったきっかけは、購入者プレゼント目当てでした。
電車の中の広告で見たのですが、山口由子自身が選んだ北欧チェアが当たる、というものでした。結局椅子は当たりませんでしたが、そんな動機で買ったこの1枚は今もシェルフの中にたたずんでいます。

作品のテイストは、スウェーディッシュなナチュラルポップス。山口由子の吐息まじりの、熱くも穏やかな唄。
しかし繰り返しになりますが、ここがかっこいいとか、この詞が胸に響くとか、そういうのはとくにない。
もちろんかっこいいし、かわいいし、愛しい曲たちです。でもそれらは普段言うような「これかっこいい! いい詞だ!」という種類のものではない。ただただ“なんとなく”いつまでも心に残り、「もういいや」とはならない。
胸の中の草原にふわりふわりと降りてきて、そのまま草の上に居座っているような情景。
良質のポップス。そう言えるのかもしれません。

私の気に入っている言葉、
「退屈でないものに人はすぐに飽きるが、
飽きないものはだいたいにおいて退屈なもの。」(村上春樹)
をふと思い出します。
なにか特出したものではないけれど、いつまでも残る音楽。不思議な魅力がにじみ出る1枚です。

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山口由子 “Hotel Scandinavia” (2001年作品)

  • Posted at 23:37 on May 20, 2006
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黒髪回帰?

へぇ~と思ったニュース。

若い女性中心に黒髪回帰の兆し

ふむ、なるほど。
確かに黒髪の素敵な女の子も増えてきている気がする。まぁそのときどきの好きな色で楽しむのがなにより。

自分は現在、前下がりボブの赤毛でやってます。

でもやっぱり天然のプラティナ・ブロンドの女の子には目(と心)を奪われます。憧れ。

  • Posted at 21:35 on May 20, 2006
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