菜の花パスタ
アップしなくては、と気になっていたのを通り越したらすっかり忘れてしまいました。一ヶ月以上前のです。もう菜の花の旬も終わってしまったかな。しまった。
菜の花パスタ、毎年春に作ります。自分の中では「春の一品」ですね。季節を感じる料理です。
イタリア料理人、片岡護さんの「パスタ歳時記」は僕にとってパスタのバイブルです。菜の花パスタはこの本から知りました。中学生か高校生か、そのあたりの頃。
片岡護 「パスタ歳時記」
(e-honや楽天ブックスも見ましたがどうやら絶版みたいですね… 残念。)
その菜の花パスタのところからちょっと長めに引用。
僕がミラノの領事館で食事を作っていた頃にも、もちろん菜の花は市場にありました。和食を作るのが仕事ですから、芥子和えやおひたしにして喜ばれました。
イタリアの人はどんなふうにこの菜の花を食べるんだろう。ちらちらと気にはかかっていたんですが、でも、まあ、最初は安全策で。イタリアという土地に慣れて、日常にオリーブオイルやにんにくを使うようになってくると、
「おい、こいつをオリーブオイルで炒めてみようじゃないか」
と、内なる僕が誘うので、
「そうだねえ、そういえば中国料理にも菜の花を炒めるのがあったっけねえ。失敗しても、自分で食べるんだからいいよな」
と、世界の料理に共通項を求め、自問自答をしながら炒めたら……、おいしい……。
今にしてみれば、こんなことは考えるまでもないことで、塩をふって油で炒めれば、間違いなくおいしいんです。
菜の花を見ると、千里の道も一歩からの実践の頃を思い出します。
(中略)
と、こう、お話しすると、オリーブオイルで炒めてパスタと合わせるのだろうと想像なさるでしょう。ところが、実はイタリアでは、菜の花はパスタと一緒にゆでます。ブロッコリーもそう。
一緒にゴトゴトとゆでて、花なんかゆですぎでこわれてしまうんですが、これでいいんです。ゆでつぶれてパスタにまとわりついた花は、パスタに味をつけるソースの一部。
僕らは歯応えとか、見た目とか、どうしても気になりますが、彼らは、そういうことはどうでもいい。色があせようと、ゆですぎでつぶれようと、そんなことは、まったく気にかけることではない。それよりも、求める味を得ること、たくさんの量を食べることのほうが重要なんです。
イタリアは野菜が安くておいしい。野菜をたくさん食べる国とは聞いていましたが、これって、やりすぎじゃないの? 確かに繊維質はたくさんとれるけれど、ビタミンは失われてしまう。どこを大切にするかの問題なんだねえ。
でも、本場に従って、彼ら流に一緒にクタクタになるまでゆでると、湯に溶け出した菜の花の味と香りがパスタにほんのりと移って、これはくせになります。さすがに、菜の花の本場、とびっきりの調理法です。
拙者は日本人でありますが、精神的には半分イタリア人であります。ハーフ&ハーフ。(先輩、それ英語です!)
クタクタにしてソースにしてしまいたいですが、同時に歯応えも楽しみたい。花の部分は色も楽しみたい。
というわけでいつも3段階に分けて鍋に投入します。
まず茎の下の部分。これはパスタと一緒に茹で始めます。出来上がる頃にはぐずぐずに崩れてパスタに絡みつきます。
真ん中の部分は中盤あたりで投入。先の部分はラストスパートあたりで入れます。
こうするといいとこどりの菜の花パスタのできあがり。
あとは王道のアリオリで。今回は初めて全粒粉のパスタを見つけたので使ってみました。いつもはディチェコNo.11派なんですけどね。
若干粉っぽい気もしましたが、どうなんだろう。おいしかったです。体にはいいよね、きっと。玄米みたいな感じで。
Buono! Buono!!
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