Benjamin Button
映画、「ベンジャミン・バトン」を観ました。(本家オフィシャルサイト / 日本語版オフィシャルサイト)
公開初日に観たのって初めてかも。ちなみに今年の映画初めでした。
アメリカの著名な小説家、スコット・フィッツジェラルドの短編小説「The Curious Case of Benjamin Button」を映画化したものです。
とても堅実な作りで良かったです。短編小説の映画化にしては時間が長いかな(2時間47分)とは思いましたが、観てみるとそう飽きることなく最後まで楽しめました。事前にトイレには行っておいた方がいいですが。^^;
ネタバレしない程度に説明すると、主人公のベンジャミンは老人として生まれ、老人達と共に育っていきます。そして、不思議なことに彼は年を取るたび、若返っていきます。
常に自分の目の前に具体的で現実的な死があった男。彼は何を見て生きていくのか?
そういう映画です。
この映画は常に「老い」というキーワードに沿って進んでいくので、けっこう気持ち的にはしんどいんですが(なんというか、焦りのような)、主人公はどんどん若返り、活動的になっていくわけです。このギャップの中でなぜ焦るんだろうと鑑賞後2,3日考えていて気づきました。
それは、「老いようが若返ろうが、どちらにしても人は死んでいく」というレールを進んでいたからでした。だからその焦りの正体は「うわー 老いたくねー!」ではなく、その先の「死にたくねー!」なんですね。時計の秒針の音が怖いのではなく、時計がいつか止まる時が怖い。
「これはうかうかしてられん、早く自分のやるべきことをやらなければ」という。人によってはもしかしたら劇中のように愛する人とずっと一緒にいたい、という気持ちからかもしれない。
そしてもうひとつ気づいたのは、なぜ「死にたくない」と感じるのか、ということ。
それはやはり自分のしたいこと、またやらねばならぬことができない。別れたくない人と別れなければならない、という直感からでしょう。
逆に言えば、やりたいことがない(もしくは諦めた)、人との別れも特に惜しくないというのであれば「死にたくない」とは自分自身の経験からも思いません。「まあ別にどっちでもいいや」という感じでした。
そう考えると「死にたくない」と感じるのは幸せなのかもしれませんね。死生観も「幸せ」の尺度も人それぞれですが、パズルにまだ空いているピース箇所があるというのは、楽しみのひとつのポイントかもしれません。
劇中でとても良かった言葉は「人生はなにが起こるか分からない」、一番好きなシーンは「今の自分たちを覚えておきたい」と“お互い追いついた”二人が鏡に向かうところ。
ベッドシーンはたびたびあるものの直接描写はなし、”Fuck”の使用回数は(たぶん)1回(以前観た”Departed”はいささかうんざりしました… 237回って。フィルタかけたら無声映画になるんじゃないか)なので家族とかで観ても大丈夫かなと。ただし”Jap”にはゴルァ!したいですね。
とにかくまあ若い頃の、とくにバレエダンサー下積み時代(20歳前後)のデイジーがすごく美しい。
とくしゅめいく?それって食べられますか?
このシーンのためにBlu-rayが出たら買おうかと思います。
あとブラピやっぱりかっこいいねえ。彼の出演作は「12 Monkeys」と「Seven Years in Tibet」しか観たことがないのですが、いわゆる「かっこいいかっこよさ」がなくて好きです。
おすすめの映画です。
上述のように上映時間長めなので事前トイレと(貸出があったら)ブランケット推奨。お財布に余裕があったらエグゼクティヴシートなどのゆったり席もおすすめです。
4 Responses
-
現在、この投稿へのコメント/トラックバックは受け付けていません。
-
u says:
cate blanchettって美しいねー。ハンサムというのか。
うっとり~。 -
ichijo.nori says:
>>u
彼女の出演作を観たのはたぶん初めてだと思うんだけど
ほんと決まってたよ。ピシッ!とはまってました。 -
yuko says:
じゃっぷ って映画に出てくるとすべってる感じするよね~
-
ichijo.nori says:
>>yukoちゃん
なんか捻りがないよねー 映画のくせに一工夫がないっていうか。
まだ”yellow(s)”って言った方がニュアンスの幅があっていい。
黒人に対してはとんと見かけなくなりましたね。
この映画も当時としては稀有な人種設定な気がしました。っていうか日本人、怒らないのね。僕は言い返しそうで怖いですが。(笑)