Keith Jarrett(キース・ジャレット)。
たぶん僕の音楽史において、最初期からずっと聴き続けている音楽家。
兄の持っていた “The Köln Concert(ケルン・コンサート)” を借りては聴いてきた。長らくKeithの音楽といえばそれしか知らなかったのだけど、最近になって “The Köln Concert” を自分用に買ったのを機に他の作品も聴いた(兄が自分の家に持っていってしまったので聴けなくなってしまった)。
買ったのは “The Melody At Night, With You” 、それから後に “The Carnegie Hall Concert” 。
僕にとって彼の音楽の魅力のうち、おそらく一番大きなものは彼の「歌」だ。彼はピアニストでありながら、演奏中歌う。これが “The Köln Concert” を最初に聴いたときからずっと好きだった。
だから “The Köln Concert” では歌ってるよね? という認識だったのだけど、彼はいつも歌っているんだと知ったのは最近のこと(笑)。
Wikipediaでは「中腰の姿勢で、時折うめき声を出しながらピアノを弾く姿が印象的。」とあって、「あれはうめき声だったのか!」とひとり衝撃を受けたのだけど、あれは歌です!
同じく記事中で病気を患っていたことも知り、なんだか身近に感じられるようにもなった。
その最近買ったCD、”The Carnegie Hall Concert” は僕にとって大きな一枚になった。
仕事をしながら聴いてたのだけど、2枚目の2曲目、”PART VII” が流れ始めると僕は手を止め、スピーカーの前に立ち尽くしてしまった。なにかがそこにはあった。
そこにはKeithの「喜び」や「感謝」であふれていた。そして、彼は高らかに歌っていた。胸がどきどきした。目頭が熱くなった。
演奏が終わった瞬間、僕はスピーカーの前で拍手をしていた。するとなんということか、観衆まで大喝采。僕たちは共にそこにいて、彼の音楽を聴けたことに感謝した。
僕はこの曲を聴いているあいだ、彼が復活してステージに立てたことに、本当によかったなぁ、よかったと感じ続けていた。同じく病気によって活動を休止していたこと、そして同じく克服した経験を持つ者として、彼の演奏はなによりもうれしかった。
Thank you, Keith. I thank you, and welcome back. I love your music. I love your song.
このCDに入っていたチラシで知ったのだけど、今年Keithの来日コンサートがあったのね。。。知らなかった…。彼のコンサートは一度ぜひ観たいな。できればソロコンサートを。
The Carnegie Hall Concert
The Köln Concert
無人島にCDを10枚持っていけるとしたら、という自問に対してすでに確定しているのはまだ1枚。それがこの “The Köln Concert” 。神懸かってます。
The Melody At Night, With You
優しさにあふれた一枚。やばいくらいに美しい演奏。#3の “Don’t Ever Leave Me” の最後の余韻では鳥肌が立ちました。
もう、ちょっと、なんというかこの3枚があればあとはいいや、くらいの勢いですね。はぁ。