僕も同盟を結んでいた。

g20071005.jpg
Amazon.co.jpの商品ページへ 三田誠広 「いちご同盟」(文庫)

やられた。がつんときました。
最近買ったのですが、実は以前読んだことがあります。
中学3年のとき。友人が図書クラブのようなものに入っていて、そこでこの本が取り上げられたらしいのですが、先に読んでいい、と貸してくれたのです。なんという友人。

正直、内容はほとんど忘れていました。でもずっとまた読みたいとは思っていた。頭の中にはずっとあったような気がします。不思議。

当時15歳。11年経って再会したわけですが、これはぐっときた。おすすめの一冊です。秋の夜長にぜひ読んでみてください。

そうか、僕もちゃんと同盟結んでたんだよね。15歳のときに読めていたことに感謝。

情景の音楽

こういう音楽はなんていうジャンルなんだろう。いわゆるアンビエントとも違うような気がする。
とても素敵な音楽です。最近BGMでよく流しています。

g20071004_1.jpg
Amazon.co.jpの商品ページへ Tape & minamo “birds of a feather”
スウェーデンのエレクトロニカ系トリオ・Tapeと日本のminamoとのコラボ作品。
サウンド・ドキュメンタリー的な一品。

g20071004_2.jpg
Amazon.co.jpの商品ページへ Watanabe Takashi “slider”
こちらはオーケストレーションを全面にフィーチャーした作品。新しい音楽だとふと感じた一枚。
いつかTVゲームを作るのが夢だけど、音楽はこういうのを使いたいな。たとえば#2″omni”がフィールドシーン、#3″lump”はダンジョンとか。そういう情景が浮かぶ。
ジャケットもすごくマッチしてると思う。ジャケット写真のフォトグラファーのサイトはこちら。かっこいい!

  • Posted at 22:03 on Oct 04, 2007
  • | (Closed)

わかってみればきっと、ほんの少しの事。

20070927th.jpg

Rozen Maiden(ローゼン・メイデン/薔薇乙女)。
主人公のもとにある日届いた不思議な人形たちの物語。

買ったのはちょっと前なんですが、おもしろいです。(全8巻、THE大人買い
真紅たち人形の美しさ、かわいさはもちろん、描かれるテーマも深く、かなりお気に入りの漫画。画で言えば瞳や服のレースやフリルの繊細さも好き。
Wikipediaにも載っていますが、突然の連載終了だったので、やはり願わくば再開というかたちで「扉の向こう」を描いて欲しいです。ファンのためにというより、命を懸けて闘った薔薇乙女たちのために。

作中より、胸に響いた言葉をいくつか。

気付こうとしなければきっとわからないわ
この紅茶のおいしさも
この子達のやさしさも
(第1巻、序章後編)

ほんの少しの違いだわ
カップを温めるのは相手を思いやっての事
でもそれが正しい時も 正しくない事もあるのね
わかってみればきっと ほんの少しの事だわ
(第1巻、Phase 3)

だからジュンが
夜眠るのが怖くなったら ヒナに言ってね
ヒナが起こしてあげるからね
(第6巻、Phase 30)

たとえ同じ庭園に咲いていたとしても
薔薇も百合も石楠花も秋桜も
花を咲かせる時季はそれぞれ違う
今は蕾でも
それぞれに相応しい季節が必ず廻ってくる
(第6巻、Phase 31)

g20070927_2.jpg
Amazon.co.jpの商品ページへ 第1巻 第2巻 第3巻 第4巻 第5巻 第6巻 第7巻 第8巻

歳をとる≠老化

僕は思う。
「歳をとる」というのはどういうことなのか、と。

女性の髪美容事情についての新聞記事に関連して母と話していて出た話題なんですが、「歳はとりたくない」とよく人は言うけれど、それは「歳をとりたくない」んではなくて、「老化したくない」んだ、歳はとって老化はしなければいいんだという話になった。
つまり、歳をとることと老化することは、意義的にまったくの別問題だ。
「歳をとる」というところには成長していくことや、多くのことを経験していくといったポジティヴでアクティヴな印象を受ける。器が大きくなる、というニュアンスに近い。

僕は以前からYMOが好きだと公言しているけど、おそらく70~80年代のYMOより、今のYMO(HAS、HASYMO)のほうが好きなんだと思う。

最近彼らがよくインタヴューで言っているのが、「歳をとった」ということ。
「結局のところ、なんでこう変わったのかというと歳とったんですよね」、そんなことをいろんな場面で耳にし、目にする。
彼らは歳をとった。僕とは30歳くらい違う。
でも彼らは老化しているだろうか? 細胞レヴェルではいくつかは老化しているかもしれない。でも彼らの存在は老化していない。
彼らの音楽は、ものすごくみずみずしい。愛ややさしさが溢れている。音によって人を分かつのではなく、受容している。陽射しとおなじように。雨とおなじように。風とおなじように。

髪の話に戻すと、僕は白髪が好きだ。白髪が欲しい。なりたい。かっこいい。
白髪を振り乱しながらクラブでDJするのってかっこよくない? ブラックライトに白髪が輝くわけです。いいなぁ。
歳はとりにいきたい。とらされるのではなく。

この記事、なんなのかというとHASYMOのレヴュー記事なんです。一応。

g20070927_1.jpg
HASYMO “RESCUE | RYDEEN 79/07”

  • Posted at 01:46 on Sep 27, 2007
  • | (Closed)

国民書

g20070911.jpg
Amazon.co.jpの商品ページへ 河合隼雄 「こころの処方箋」

河合隼雄さん。
村上春樹さんとの対談集にて知った河合さんですが、先日お亡くなりになりました。
そのニュースを聞いて、一度彼の本を読んでみようと、本書を手に。

読んで思ったのは、本当に惜しい人を亡くしたんだなぁ、と。
この本、「こころの処方箋」は日本の国民書に認定。そして小学校での必須読本にすべき。(小学校の先生だったら自腹ででも一人ひとりに一冊あげる。)

人はこの社会で生きていくわけですが、絵空事ではない、実際に使えるヒントがあります。
いくつかタイトルをピックアップ。

・人の心などわかるはずがない
・100%正しい忠告はまず役に立たない
・灯台に近づきすぎると難破する
・己を殺して他人を殺す
・100点以外はダメなときがある
・マジメも休み休み言え
・一番生じやすのは一八〇度の変化である
・自立は依存によって裏づけられている
・善は微に入り細にわたって行わねばならない
・「耐える」だけが精神力ではない
・灯を消す方がよく見えることがある
・生まれ変わるためには死なねばならない
・道草によってこそ「道」の味がわかる
・二つの目で見ると奥行きがわかる
・すべての人が創造性を持っている

Read the rest of this entry »