「東京奇譚集」 – 村上春樹

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村上春樹 「東京奇譚集」

春樹さんの最新小説、五編の不思議な話。とても楽しく読むことができました。短編集なので気楽に読めますし。それでも春樹さんの魅力が端々ににじみ出ており、ファンとしてはうれしい限りです。

春樹さんの小説ではよくあることですがいわゆる“答え”は出てこないので、物語の不思議さに、また謎に“答え”を求める方、また“答え”が与えられないと消化不良のような、満足できない、という方は読後に「?」が残って落ち着かないかもしれません。
「謎」は「謎」として受け入れてしまえる方は物語を楽しむことができると思います。

この「東京奇譚集」に収められているお話にもたくさんの不思議、謎が出てきます。でもそれらを「解決」しよう、という種類のものではありません。
「こんなこともあるんだ」「こんなこともあるのかもしれないな」
そういう風に読める方はとても楽しめる作品だと思います。私は好きです。現実世界でだってそうそう「答え」なんてあるものじゃないし…ね。

「東京奇譚集」には五編の物語が収められているわけですが個人的に気に入ったのは、「偶然の旅人」と「どこであれそれが見つかりそうな場所で」です。
春樹さんは短編をまず書いて、それを長編小説に新たにもっていく、という形をとることがあるので、もしかしたらこれは長編でまた書かれるかもしれないな、などと思うものもありました。

この前も少し書きましたが、今回の装丁は個人的に大好きです。カヴァーも落ち着いた和風という感じで深みがありますし、中の紙質や色も好みです。
そして忘れてはならないのが書体。楷書体を少し滑らかにした行書になるのかな? 最初慣れるまで2,3ページかかるのですが、のちにそれがとても馴染んで、「この書体がいい」というふうになりました。味わい深い書体です。日本語の美しさを実感した書体でした。

ごちそうさまでした!

  • Posted at 18:00 on Oct 22, 2005
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白菜と豚肉のアリオリ

いつもパスタはトマトソースか、そのときどきの食材を使ってのアーリオオーリオ。今日は夕食にパスタが食べたかったので残っていた白菜と豚肉を使って。

アーリオオーリオの王道でいきます。
オリーヴオイルをゆっくり温めてにんにくを炒める。にんにくは今日はほくほくが食べたかったのでくし切り。
そこに豚肉を入れて炒める。このタイミングでパスタを茹ではじめます。パスタの茹で湯で味付けするつもりなので心もち多めに塩を入れます。
先に白菜の芯の部分を入れ、炒める。タイミングを見はからいつつ、葉の部分もいってらっしゃい。

パスタの茹で湯をフライパンに入れます。今日はおたまに2杯くらい。
この時点で鷹の爪を入れるのを忘れてたので投入。本来なら最初ににんにくと炒める。
こしょうを軽く挽きます。私は白黒半々のブレンドですが、どちらかなら黒がいいかと。

アルデンテの半歩手前でざるに空け、フライパンへ。強火にしてソースとからめます。このへんは秒単位の勝負。できあがり。

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藍染のランチョンマットは高校時代の作品。

パスタのコツはやっぱりソースを作るタイムラインと、パスタの茹で時間をあわせるタイミングじゃないでしょうか。
パスタの茹で加減は、菜ばしなどで触った感触加減を把握しつつ、勝負どころに入ったらこまめに麺を一本とってチェック。これをやれば自分好みのアルデンテを逃すことはないです。

“here & now” – kaskade

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kaskade “here & now”

さわやかで明るい、派手じゃない大人のハウスミュージック。このキーワードにピンときたかたはチェック!
どこかで聴いたのか名前だけはチェックしてあったのですが、先日HMVにて見つけて一曲試聴して購入したアルバム。
kaskadeの2枚組みベストアルバム、「here & now」

広がってゆく気持ちよさは保証します。ブックレットレヴューに「女性ウケがいい」とありましたがそれも分かる気がします。ほんとにメロディがきれい。
あえて一曲だけ選ぶなら、アルバムの最後をしめくくる “Still Still Still”。
空を飛んでいるようなメロディに、エアリィな女性ヴォーカルが静かにからむ。寝る前の一曲に最適。

これは自信をもってオススメの一枚。

  • Posted at 20:48 on Oct 21, 2005
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さがしもの&ヘアサロン

ふと気になった記事があって、持っている雑誌を片っ端からさがしもの。結局は見つかったんですが…。
それが最後の最後。自分にあきれた。よりによって最後の最後はないだろう、と。

ku:nel」を全号探し、「pen」を探し、その他もろもろ持ってる雑誌を探し、最後にあたったのが「ELLE DECO」。

…これだよ……

3時間かかりました。人生の失われた3時間、返して…。
でもさがしものが見つからない、ってほんとにいらいらしませんか?(ちなみに探していたのは「ボルドーワインの似合う空間」という記事)

あと関係ないですが今日は友人に紹介してもらったヘアサロンへ行ってきました。赤毛になりました。
意識はしてないのですが、ワインレッドが最近のテーマカラーなんでしょうか、自分の。さわやか系寒色パステルから、渋めさっぱり系へシフトしてるみたいです。

「/05」 – 坂本龍一

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坂本龍一 ”/05″

先日購入した、坂本さんの新作、「/05」。全曲ピアノ中心のアレンジになっています。
どうしてこの人の演奏はこんなに美しくて哀しくて楽しいんでしょう? もうほんと、「ありがとうございます」とお礼を言いたい気持ちです。なんでこんなに心を掴むんだろう?
これ(「/05」)だけでお酒飲めます。(笑) 上質の葡萄酒と音楽に酔う。ああ、もうほかにはなにもいらない。

簡単に紹介。
ファーストナンバー、「Tibetan Dance」。
もうこれで嫌な雲を吹き飛ばして、踊らせてくれます。「ああ、やっぱりこの人はすごいなぁ、大人だなぁ」と感嘆。

トラック#5. 「Aqua」。
これは実は私が坂本さんの曲で一番好きな曲です。正確に言えば、インストゥルメンタルで一番好きな曲。
自分が(あるかどうか分かりませんが)将来結婚式を挙げるとしたらこの曲をかけたいなと。この曲は坂本さんが娘、美雨(みう)さんのために書いた曲だそう。
「BTTB」に収録されているものより、より近い演奏だと思います。

トラック#7. 「Happyend」
この曲はこの前のライヴで初めて聴きました。いい曲だなぁ、としみじみ感じた曲なのでCDでしっかり聴けて大満足。これはいつ発表された曲なんでしょう? 知りませんでした。

トラック#8. 「Thousand Knives」
なんて楽しいアレンジ! ほんと踊りたくなる。
これはコンサート会場で聴きたいっ! オリジナルもあわせて聴くとかなりいい感じです。気の抜け具合がいい感じ。

トラック#12. 「Shining Boy & Little Randy」
今日、ヘアサロンに行って、この話が出たのですが曲だけで泣けます。映画(「星になった少年」)は実は観てないのですが、まだやってるでしょうか。やってたら観にいきます。

全体をまとめると、このアルバムは音と音のあいだを楽しむ作品だと思います。
文章では「行間を読む」という表現がありますが、これはまさに「音間を聴く」作品。その具合が本当に素晴らしい。

これはプレゼントとかにもおすすめ。

  • Posted at 20:30 on Oct 20, 2005
  • | (Closed)