FSS XII、そしてLAST

本屋に立ち寄って衝動買いしてしまいました。ファイブスター物語12巻と靴雑誌、LAST。

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永野護 「ファイブスター物語 (12)」

THE FIVE STAR STORIES(FSS)の最新刊XII。以前兄が4巻くらいまで持っていて、自分が中学生の頃か、読んで衝撃を受けたFSS。
これすごい漫画ですよね。読んでてわけが分からなくなってくるほどぶっとんでる漫画って、「風の谷のナウシカ」の原作と、このFSSくらいじゃないかと思ってます。
ここまで世界を創っちゃうところがすごい。むはぁー。がんばって全巻集めようかな。

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続いて「LAST」。
今回はイタリー靴の特集。イタリー靴好きは必見です。もう最高。見てるだけでにやにやしてきます。(笑)

いいなぁ、欲しいなぁ。多数の写真とともに価格も書かれているのですが、この本を読んでると、7万円とかの靴を見つけると「うわっ 安っ!」とか思うから不思議。
イタリー靴好きにとっては見てるだけで幸せになれる「LAST」vol.7、おすすめです。むっはぁー。

  • Posted at 23:19 on Apr 09, 2006
  • | (Closed)

「なぜ、その子供は腕のない絵を描いたか」

最近読んだ本の紹介。
「なぜ、その子供は腕のない絵を描いたか」
ある意味ではとても怖い本です。

・6歳の女の子が描いた奇妙な絵。…腕を描き忘れている…。
・ひとつ、ふたつ、みっつ、… と数えられない。
・三角形が描けない。
・「それ」、「これ」、「あれ」、「はんたい」、「たくさん」、…これらの単語の意味が分からない。
・異常なまでの無気力、面倒くさがり…。

これらの異様な現象が、2002年ごろから全国的に一斉に出始めた。
「なぜ?」
それに筆者が現場の実状と、数々の資料から切り込んでいくノンフィクション。

途中まではそのアプローチと考察に少し短絡的に過ぎやしないか、という印象を受けますが終盤へ向けて読んでいくと、興味深い一考が得られます。
この本を読んで、今の子供を取り巻く、大人の社会のありかたは「ちょっとマズいんじゃないか」と不安を覚えました。

自分ももう子どもがいてもおかしくない年齢だしそういうことも考えないといけないな、とも思った次第です。子どもの教育などに関心のある方はぜひ。
子どものために、と親がやることが実は「知的虐待」にもなりうる。怖い話です。怖いですが、これが現実なんですね。

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藤原智美 「なぜ、その子供は腕のない絵を描いたか」

気に入った一文

昨日紹介した、「ダ・ヴィンチ・コード」と「対岸の彼女」にて特に気に入った一文を紹介します。

まずは「ダ・ヴィンチ・コード」より。

歴史はつねに勝者によって記されるということだ。ふたつの文化が衝突して、一方が敗れ去ると、勝った側は歴史書を書き著す。(中略)
ナポレオンはこう言っている。“歴史とは、合意の上に成り立つ作り話にほかならない”と。(中略)
本来、歴史は一方的にしか記述できない。

この一文を読んだときは、なんだかうれしかったですね。「そうだよ、その通りだよ!」と。というのは、自分も子どもの頃から同じ疑念を歴史に対して抱いていたからです。歴史なんて結局、「信じるか、信じないか」の世界ではないかと。
その歴史が本当に真実なのかなんて目の前で再現するしかないわけで、(そしてそれは不可能なので)そう考えていくと歴史にあまり魅力は感じなかったのです。
そのせいもあって中学・高校と歴史は苦手でした。まったく「知りたい」という欲求が出てこなかった。それよりも理科の原子記号を覚えるほうが楽しかったタイプ。

続いて、「対岸の彼女」にて衝撃的だった一文。

ひとりでいるのがこわくなるようなたくさんの友達よりも、
ひとりでいてもこわくないと思わせてくれる何かと出会うことのほうが、
うんと大事な気が、今になってするんだよね。

ぐっときます、これは。本を読むとなお、この一文の重みが伝わりますよ。

ちなみに読み終わってから気づいたのですが、出版社の売り文句が、「勝ち犬・負け犬」などをキーワードにしていますがそんなものは一切小説には出てこないのでご安心ください。
読んでてもそんな対立はなかったですよ。勝ち負けなんて。この紹介文を選んだ編集者もどうかと思う。

自分だったらこんな感じで。

「どこへも行けなかった」―。
私たちはなんのために歳を重ねるんだろう。
それぞれ生きる女たちが輝く川面で交差する。
対岸を結ぶ橋まで、もうすぐだ。

アーティスト 一条ノリユキ

文藝春秋さん、採用していただけませんかね?(笑)

読書Day

昨晩は横浜、すごい雷でしたね。
雷鳴で目が覚めて(明け方前)、それから今日はずっと本を読んでいました。先日買った「ダ・ヴィンチ・コード」と「対岸の彼女」を読了しました。簡単に感想をば。

まず「ダ・ヴィンチ・コード」。これはなかなかにおもしろかった。
キリスト教に関係する数々のキーワードも違和感なく、というか余計におもしろく感じられました。
かのキリストに関して、「最後の晩餐」で語られるエピソード。
ありえない話ではないですよね。明確に否定する根拠はないし、例の“再会”の理由もこれなら分かる。
まぁ、真実は分からないけれど、もしそうであったらおもしろいなぁ、というのが正直な感想です。
ところでヴァチカンの属人区から追放されるというのはかなり大変なことなのでしょうか。

続けて読んだのはまるっきりカラーは変わって角田光代さんの「対岸の彼女」。
なんと昼間から数時間かけて一気読みしてしまいました。数年ぶりですね、一気に読んでしまった本は。

なににそんなに惹きつけられたのだろうと考えてみると、いまだ冷めていない頭なのでうまく言えませんが、ひとつは、嘘がなく、いろんな意味でちゃんと芯のある物語だった、ということ。
読み終わって、
「結局なにが言いたかったの? 不幸話や不満話を撒き散らしただけじゃないの?」
という最近の文芸界傾向は見られませんでした。
様々な思いが胸をよぎりつつ、読んでよかった、と思えた作品でした。

もうひとつは、丁寧な話の書き方(進め方)にとても好感を持つことができたこと、でしょうか。
作風もこれまた最近流行りの流行ワードを並べ立て、若者言葉で物語る類のものではなく、真摯な語り口でした。かといって堅苦しいものはまったくなく。
その適度なバランスで話は進み、疲れることなく、そこに自分の心をしみこませることができました。
本の中の人物と心情がリンクすることがたびたびありました。(やりきれない思いになったり、殴ってやりたくなったり。(笑))

角田さんの作品は初めて読んだのですが、この違和感なく、その語られている人物と心情が重なるのはすごいですね。
こういう影響力のある作品を自分も書きたいなぁ、と思いました。
この人の作品はどこが違うのだろう。もう少し時間をかけて考えてみます。

とにかく、「対岸の彼女」、おすすめです。とくに女性にはより通ずるものがあるのではないかなぁ、と思います。自分は、これからも読み返したいな、と思う本でした。

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角田光代 「対岸の彼女」

ところで読んでいるあいだ、大人になった葵のヴィジュアルは自分の中ではずっと、「17歳のカルテ」のリサ(アンジェリーナ・ジョリィ)だったのだけど、こんなのは自分だけかなぁ。

  • Posted at 22:46 on Mar 29, 2006
  • | (Closed)

なにか、タガが外れたようで…

映画(「クラッシュ」)からの帰り道、自分でもどうかと思うほど本を買ってしまいました。

…どうすんだ、これ?
まぁ、読むしかないのですが。

・「誰も知らない男 -なぜイエスは世界一有名になったか-」 ―ブルース・バートン
   (友人のおすすめで、やっとこさゲットできました。)
・「対岸の彼女」 ―角田光代
・「ナラタージュ」 ―島本理生
・「東京タワー ?オカンとボクと、時々、オトン?」 ―リリー・フランキー
・「木村料理道 THE NABE キム’s スタイル」 ―木村祐一
・「これだけは、村上さんに言っておこう」 ―村上春樹(絵・安西水丸)
・Tarzan (No.461 3/22 2006号)
   (ストレッチ特集、表紙が超美人さん)


どうしちゃったんだ。「クラッシュ」を観たからなのだろうか?
でも、「クラッシュ」を観たことと、本をドカ買いすることのあいだに、なにか因果関係のようなものは、僕の小さめのキャベツほどの頭では見つけることはできません。

というか、
・「ダ・ヴィンチ・コード(上・中・下)」(文庫) ―ダン・ブラウン
・「コインロッカー・ベイビーズ(上)」(文庫) ―村上龍
を買ったばかりなのに…。

・「黄金比はすべてを美しくするか?
   最も謎めいた「比率」をめぐる数学物語」 ―マリオ・リヴィオ
だってまだ読んでないのに。(思えば、買っても読んでないのはほかにもたくさん… あー…。)

でも、とりあえず、「ダ・ヴィンチ・コード」はおもしろいですね。まだ少ししか読んでないけど、はまりそうです。時間が許せば、ずーっと読み進められる魅力がある。

読んだ中でおすすめがあったらまた紹介したいと思います。
関係ありませんが、初版本を入手できると妙にうれしいです。