ゼロから始めるモノクロフィルム現像
写真関係の記事が続きますが、今回はフィルムの現像について。
思えばデジカメを買った大きな動機付けは、フィルム代・現像代・プリント代というランニングコストがなくなる、というものだった気がします。当時はスキャナを持っていなかったので、鑑賞するにはプリントするしかなかったんです。(いわゆる「同時プリント」。)
今でも「ネガはスキャナで自分で取り込むとしても、現像代に毎回630円かかるのはなぁ(;´Д`)」という思いがあります。
それでちょっと調べてみたら、どうやらモノクロフィルムは手軽に自分で現像できるらしい、ということが分かり挑戦してみることにしました。
実際、本当に想像していたより簡単だったのでここに紹介します。「手軽」と言ったところで勿論デジカメなどの手数とは比べることなど出来ないのですが、「趣味」としてはなかなかいい感じです。コレクションのように湯水の如くお金が流れていくというわけでもなく、時間的に丸一日かかるようなことでもなく。ちょちょっと楽しんでちょちょっと終わる。そういう感じです。フィギュアにはまるのとは大違いです。(お金、場所、お金、場所、場所、お金、場所、場所、嗚呼… 箱って捨てられないんだよね…orz)
方法やコツなどは人それぞれあると思いますが、これからモノクロフィルム現像に挑戦される方の参考やきっかけに少しでもなれば幸いです。
記事が少し長くなってしまったのでサブメニュー。
ではまず基本の道具、薬品から。ここで載せるのはあくまでも私の場合なので、人によっては薬品が別のものになったりします。
現像するには暗室が絶対に必要という認識だったのですが、個人でフィルム一、二本現像するという場合は必要ありません。それがこの「現像タンク」。光が入らない構造になっています。私は一本ずつやることにしたので一本用のタンクを。容量は 250ml です。
「リール」はフィルムを巻き付けるもの。これを現像タンクの中に入れて、薬品を口から注ぎ現像します。現像タンクとセットになった商品もあれば、別々に買うものもあります。
暗室が必要ない、とは言っても
「撮影後のフィルムをパトローネから引き出し、リールに巻き付け、現像タンクに入れて蓋をする」
この作業の間だけは感光させないようにする必要があります。
夜中に真っ暗な場所で作業できる環境と根性があればいいのですが、昼間でも気軽に出来るようにするアイテム、それが「ダークバッグ(チェンジングバッグとも)」です。両腕を入れる口が左右についています。この袋の中で最初の一連の作業をします。
手元が確認できない状況でやることになるわけですが、最初に明るいところで練習すればすぐに慣れます。
水温計は現像する薬液の温度を管理するために、時計(またはストップウォッチ)は現像時間を正確に把握するためです。
水温計は薬液を直接計るわけではないので、お風呂のお湯を計っているもので OK。いつも湯船に浸かりながらこの方法で華氏/摂氏換算をして遊んでます。
ストップウォッチはあれば便利ですがなければ時計で十分です。私ももう少し慣れたらストップウォッチではむしろ操作が手間なので時計にすると思います。
「フィルムクリップ」は全ての作業が終わった後に、フィルムを吊して乾かす為のもの。しっかりしたものであれば目玉クリップでもいいと思います。要するに乾くまで落ちなきゃいいんです(笑)。
2つある理由は、1つは重しになるためのもの。長~いフィルムをピンと伸ばして吊すためです(現像後もフィルムのカールは少し残っています)。
「ネガシート」は完成したネガフィルムを保管するため。6コマごとに切り、シートに入れます。
購入されるときは「6コマ・7段」などと書いてあることを確認してください。「おっ安い!」と思って買ったら「1コマ」用のネガ袋100枚入りだったうっかり氏がここに約一名います。通販ってこういうとき無情だよね。これ私は使い道ないので、欲しい方がおられましたら差し上げます(ヨドバシ.comの商品ページ)。商品写真がないせいだ、きっと。
続いて薬品類。
現像作業に必要な薬品は主に、「現像液」「停止剤」「定着液」「水洗促進剤」「水切り剤」という5種類があります。
「現像液」はそこそこ強いアルカリ性で、狙った時間で現像を「ぴたっ」と止めるために酸性の「停止剤」を入れるわけですが、普通の水で2度くらいゆすげばOKです。私がやったところそれでまったく問題ありません。どうしても酸性の液で一瞬にして中和したいという方は、薬品など買わず安いお酢を薄めて使えばいいと思います。よく現像というと「お酢のにおいが…」という話を聞きますが、それは氷酢酸を薄めてこの停止剤に使うからのようです。私は使ったことがないので経験したことがありません。
「定着液」はフィルムの未感光部分の薬剤を落とすためのもの。
「水洗促進剤」というのは「定着液」の種類によっては洗い流すのに時間がかかるため、それをさっと済ませるためのものです。定着液が「硬膜」タイプならあったほうがいいです(Fujifilm の「スーパー・フジ・フィックス」等)。「非硬膜」タイプなら必要ありません(ILFORD の「ラピッド・フィクサー」等)。水でさっと洗うだけで OK です。私は現像停止と同様、2度洗いで済ませています。
写真の「ゆすぎ用水入れ」というのは、その現像停止のときと定着液洗浄のときのためのもの。ただの水なので容器はなくても構わないのですが、ペットボトルからの方が手早く注ぐことが出来るので使っています。現像タンクの容量が 250ml なので、500ml ペットボトルでちょうど2度洗いに都合がいいんです。
「水切り剤」というのは、フィルムを乾燥させるときに水の跡が残るのを防ぐために水気を切る必要があるのですが、スポンジで拭き取る作業をパスするためのもの。水切り剤を使えば拭く必要はありません。
結局私は5種類の薬品のうち、3種類だけ。
水気を取るのもスポンジでやれば、現像液と定着液だけで済むのですが、吊した長いフィルムの裏表を傷をつけないように気を遣いながら拭くのもずいぶんな作業です。個人的には水切り剤を使うのをおすすめします。
漏斗(じょうご・ろうと)は、ペットボトルに薬品を注ぐためのもの。これはペットボトルなど口の小さい容器を使うならあった方がいいです。
計量カップは、薬品をペットボトルに入れたあとに希釈用の水を手軽に正確に入れるためのもの。計量カップで注ぐのは水なので、料理用と併用して大丈夫です。
ここで現像用品にかかった費用を計算してみます。すべてヨドバシカメラで購入しました。記載した価格はすべて私が購入したときのもの。
◆現像タンク、リール: LPL L40111 4,780
# ステンレス製/35mm 用、タンクとリールのセット
# これのみ店頭で購入、ヨドバシ.com には現在ない模様。◆ダークバッグ: エツミ E-544 1,610
# ヨドバシ.com◆フィルムクリップ: LPL L6062 670
# ヨドバシ.com◆ネガシート: フジカラー ネガシート7段(100枚入) 1,580
# ヨドバシ.com◆漏斗: エツミ E-733 ポリロート 220
# ヨドバシ.com◆現像液: Kodak T-MAX Developer 1,280
# ヨドバシ.com◆定着液: ILFORD RAPID FIXER 992
# ヨドバシ.com◆水切り剤: 富士フイルム ドライウェル 260
# ヨドバシ.com小計: 11,392
◆500ml ペットボトル: 森のゆらね 69*2 / CANADA DRY TONIC WATER 89
# このためにわざわざ買った。「ゆすぎ用水入れ」の「PLATINUM WATER」はそのパッケージデザイン(ロゴ書体)を参考用に以前購入し持っていたもの。合計: 11,619 ちーん。
それぞれの薬品のランニングコストを無視して一括りに単純計算すれば、フィルム19本現像すればペイすることになります。
また現像タンクとリールはプラスティック製ならもっと安いですし、前述したように代用のきくもの(クリップ)を使ったり、夜中に真っ暗な環境を用意できるのであればダークバッグも必要ないでしょう。やろうと思えばもう少し安くすることが出来ます。
さて、ここから現像作業の手順ですが、手順自体についてはすでに多くの方がネット上に紹介されています。私もそんなページなどで予備知識を入れることが出来ました。中でも以下のサイトさんの情報は分かりやすかったのでご紹介します。
モノクロフィルムの現像作業 フィルム現像のいろは・・・そして完成 – 簡単写真講座
また2ちゃんねるのカメラ板、「■□今からはじめるモノクロ現像 ○本目□■」スレも大変参考になりました。
「6本目」(現行スレは「7本目」)の書き込みで個人的に特に参考になったものを転載。
52 :名無しさん脚 [sage] :2009/07/18(土) 14:01:59 ID:i3Vub0AO
>>48
セット物って見たこと無いなあ。
自分が始めた時の構成↓現像タンク
リール
現像液
定着液
ネガシートあとは身の回りにある物で足りた。
温度計、ペットボトル、クリップ、皿洗い用のスポンジとか。。。73 :名無しさん脚 [sage] :2009/07/21(火) 12:48:06 ID:qcKosAKZ
自家調合含めいろんな現像液使ったけれど、コダックのT-MAX developer
は最も素晴らしい。特にこれからはじめる人にお勧めしたいよ。液状だから
使いやすいし。636 :名無しさん脚 [sage] :2009/10/28(水) 13:35:57 ID:KJ552wV0
>>634>現像液(TMAX デベロッパー)
現像液はお好みで何でもいいけど。>定着液(富士酢酸)
>停止液(スーパー富士フィックス)
ん?定着液と停止液間違えてね?
停止液は現像液(アルカリ性)を中和することで現像の進行を止めるんだけど、
現像液を洗い流せればOKなんで、水でぜんぜん構わない。
定着液は非硬膜化タイプの方が色々面倒くさくないんで。
俺はイルフォードのやつを使用。>水洗促進剤(富士のやつ)
定着液を非硬膜化タイプのものを使用するなら水洗促進剤はいらん。
これも水でおk。>水切り剤(富士のやつ)
スポンジでフィルム傷つけないようにきちんと水滴をふき取ればいいんだけど、
まあ、買ってもいいんじゃない?
なんかデメリットもあるらしいが俺は使ったことないし。>現像液とか定着液とかメーカーバラバラでもいいんかな?
特に問題はない。
まあ、とりあえずやってみ。ただいきなり本番はするなよ。
最初は無駄にしてもいいフィルムで練習してからね。
そして私の手順を書き出すとこのようになります。
- 撮影後、フィルム巻き取りで最後まで巻き取らない。「かちっ」と音がして軽くなったところで止める。そうすればパトローネを空ける器具はいらない。(飛び出しているフィルムのベロを引っ張ればいいだけだから。)
ダークバッグの中に、現像タンク(蓋も)、リール、フィルム、はさみを入れる。
まずフィルムを引っ張り出す。最後まできたら、手やダークバッグの内側を切らないように気をつけつつ、フィルムをパトローネとの根本のところで切り離す。
【Jan 31st, 2013 追記】フィルムは手でも切れるのではさみはいらないかも。コメントで教えてもらってからずっと手で千切って済ませている。ちょっと爪を立てれば切りやすい。 - フィルムをリールに巻く。焦らずゆっくりと。溝にちゃんと入っているか確認しつつ。
- リールに巻けたらタンクに入れ、しっかりと蓋をする。できたらダークバッグでの作業は終了。
- 風呂場に移動。フィルムを吊す場所を確保しておく。バケツやボウルなどに 20°C の水を用意する。(今の季節・冬。デフォルトの水温が 20°C 以上になったらそれに合わせて時間を調整する予定。)
薬液用のペットボトルに薬品を入れる。入れたら計量カップで前項で用意した水を入れる。泡が立たないように優しく振ってよく混ぜ合わせる。出来た現像液と定着液は(室温が指定液温 20°C より低い場合)冷めないように、20°C より心持ち温かい水の中に入れておく。
漏斗は1つの場合、薬液ごとに洗い流してから使用する。 - 現像タンクに現像液を投入。ストップウォッチ開始。3~4回腿に叩きつける。(フィルムに気泡がつかないようにするため。気泡がついてるとそこだけ現像されず気泡のムラができる。)そのままストップウォッチで開始30秒までタンクの天地を交互にカシャカシャと返し続ける撹拌をする。以後30秒放置・5秒撹拌を繰り返す。ストップウォッチ開始6分55秒で終了。
# 30秒まで撹拌+(30秒放置+5秒撹拌)*11回=415秒=6分55秒 - 即現像液排出、水を投入、撹拌15秒、排出。もう一度水を投入、撹拌30秒、排出。これで現像停止作業は終わり。一回目が短めなのは薬液が強く残っているから。でもこの辺の時間は結構適当。
- 現像タンクに定着液を投入。ストップウォッチ開始。今度は叩きつけたりしないでいいみたい。同じく30秒まで連続撹拌。以後30秒放置・5秒撹拌を繰り返す。ストップウォッチ開始4分で終了。30秒の放置中に、洗浄用の水をまた入れておく。(現像停止で使った分)
# 30秒まで撹拌+(30秒放置+5秒撹拌)*6回=240秒=4分 - 即定着液排出、水を投入、撹拌15秒、排出。もう一度水を投入、撹拌30秒、排出。これで水洗い作業は終わり。
- 水切り剤を投入。ちょっとカシャカシャと撹拌したら30秒放置、排出。これで現像作業は終了。(水切り剤は更に洗い流す必要はない。)
- 現像タンクを開け、ちゃんとリールに巻けているかもはや意味はないけど一応確認(笑)。
ちゃんとネガになっていればおめでとう。フィルムクリップに噛ませて吊しておく。用具の後片付け。
ご覧のように現像作業といってもあっという間に終わります。準備と片付けを入れても一時間程度です。
ただし、本当の最初の時はほかにすることがあります。これは余計な器具などを購入しないための工夫のようなものです。
自分の使う現像液、定着液、水切り剤の希釈を確認し、ペットボトルに原液の量、そして水を加えた量のところにそれぞれ印をつけておく。原液の量の目印は必須。
なぜ必要か: 薬品ごとの計量カップを用意しないため。事前に目測で指定量を注げるようにしておく必要がある。
私の場合は、現像液、定着液ともに「原液1:水4」の比率、つまり5倍希釈用のものです。そして現像タンクの容量は 250ml。分かりやすくていいですね。つまり事前に 50cc の水を量って印をつけます。そこに 200cc を量って入れ、合計量の印も念のためつけておきます。(本番の時も水は 200cc 量って入れているので合計量の印は「念のため」)。
こうすれば、薬品を量る器具は必要ありません。道具が少なくて済みます。
ただし水切り剤は比率が異なります。「ドライウェル」は 2l の水に 10ml、つまり 200:1。500ml ペットボトルには 2.5ml となります。ドライウェルのキャップ一杯(一番上のねじ山まで)が 10ml だそうですのでここは目測で適当に 1/4 の量を入れています。
現像液と定着液の希釈したものは使用期限が著しく短くなるそうです。ですので一回分のみをその都度希釈しています。一方、水切り剤はそういう期限はないそうで 500ml ペットボトルに2回分を作っています。
このようにしょっちゅう現像するという人でなければ結局一回分しか作らないわけで、容器も 500ml ペットボトルで十分というわけです。ただ、間違えないように現像液用には「D(Developer)」、定着液用には「F(Fixer)」などと印をつけておくといいと思います(ボトル、キャップとも)。
また私のようにペットボトルの種類をそれぞれ別々にするのもおすすめです。好きなデザインのものを選べば部屋に置いていても苦痛になりません。
また、作業後は黴などが生えないようにペットボトル、現像タンク&リールともに洗ってからよく乾かしておくといいと思います。乾いたら今度は埃が入らないうちに蓋をしておきましょう。
またこれも基本的な事ですが、フィルムが乾くまでの間吊しておく必要があります。その場所を用意しておいてください。私はお風呂場に乾くまで吊しておける場所がなかったので、作業後自室に持って行って吊しておきます。照明の傘に照明の紐を持ち上げた状態で洗濯ばさみで留め、その紐にフィルムクリップを引っかけました。
言葉では分かりづらいですがこういうことです。
窓や壁にフィルムが触れる心配がなければカーテンレールなどを利用してもいいと思います。
それで、一番難しい作業は何か? と言ったらそれはもう「リールにフィルムを巻く作業」だと思います。何しろ見えないので手探りでやらなければなりません。
もったいないですが、一番安いフィルムを別に用意して練習用につぶすのをおすすめします。明るいところで焦らず練習してみてください。最初はさっぱりだと思いますが、3回か4回くらいやったところでずいぶん楽になると思います。そしたらまずは手元を見ないようにしてやってみます。つまずいて修正できなくなったら見てどこでつまずいたか確認します。手元を見ずに巻けるようになったらダークバッグの中で練習してみます。ずいぶん勝手が変わると思います。夏のダークバッグでの作業は暑いかもしれません。
ダークバッグの中でも巻けるようになって一連の作業、つまり実際にはさみを持ってフィルムを切るイメージ練習(これが結構怖いです)、現像タンクにリールを入れて蓋をする練習などなど一通り経験したら、本番のフィルムで挑戦してみてください。
とにかく焦らず、ゆっくりやること。ダークバッグの中なら1時間経とうが2時間経とうが問題ありませんから、落ち着いて作業することです。
初めての方にはフィルムをリールに巻くという状態がどういうものなのか想像できないと思うので(自分がそうだった)、参考までに写真で載せてみます。なぜかこういう作業の写真がネットで見あたらなかったんです。まだ2回しか巻いたことのない人間がこんなことをしていいものか分かりませんが(笑)、なんとなくでもイメージの助けになれば幸いです。
# 写真付きの解説が少ないのは、もしかしたらフィルム一筋でデジカメを持っていない方が多いからかもしれない。
フィルムとリール。フィルムは私が実際に練習用につぶしたもの。Kodak の 100TMAX 24枚撮り。ヨドバシ.com で 300 でした(カラー含めて 35mm フィルム一本売りで最安だった)。
ああ、貴重な300円が…><o 「これは必要なものなんだ」と言い聞かせてフィルム引き出してください。むしろそうそう出来ないことですから映画のシーンのように。
「フッ悪いな… こいつは消させてもらうぜ…」とか言いながら「びーっ」と(笑)。
リールに巻くときのフィルムの持ち方。指で端を押さえて少しフィルムをたわませます。こうしないとリールの溝に綺麗にはまっていきません。常にこのちょうどいいたわみを保持するのがコツです。巻いたフィルムは左手の中に収まっています。
できるだけフィルムの面に触らないようにする必要がありますが。こちらを向いている面は裏側なので多少は触れても大丈夫だそうです。
どっちを左手/右手にするかはしっくりくるほうで。逆の場合は以下の説明も左右逆にして読んでください。
リールの突起に注目。2つ角のような突起があります。これが巻き始めのキーポイントになります。
まずリールのV字の溝にフィルムを差し込みます。このときもフィルムを多少たわませないと綺麗に奥まで入りません。
リールの突起は奥側になっています(フィルムの後ろ)。
フィルムの穴をリールの突起にはめます。ダークバッグの中では右手の指でちゃんと突起にはまったか確認します。
巻いているときの状態。左手は一定のたわみを保持するだけです。手のひらはふくらませてフィルムを押さえつけないようにします。
右手の親指と中指~小指でリールを持ち、ゆっくり回します。人差し指は伸ばしフィルムを軽く押さえ、たわみをリリースします。このときにフィルムがまっすぐになってリールの溝にはまるわけです。
最初のV字に押し込むとき、突起にはめるときも右手人差し指でサポートすると入りやすいです。
リールにフィルムを全部巻いた状態(24枚撮り)。36枚撮りだとリールの端とほぼ同じ位置まで来ます。
上から見てフィルムが綺麗にはまっているか確認します。同じ溝にフィルムが2重に入ってしまっているとちゃんと現像できません。またでこぼこになっていないかなども確認します。
ダークバッグの中では、右手人差し指で「巻きエラー」が起きていないか確認しつつの作業になります。左手でたわみを微妙に作りつつ、ゆっくりゆっくり巻いていけば大丈夫です。
ただ、左手で意識せずに引っ張ってしまっていることがあるので、ときどきフィルムをリールに押し込むような微調整というか力の解放をするといいです。そのときにでも右手人差し指で巻きが歪んでいないか、ちゃんと上下同じ溝にはまっているかなどを確認します。指先はとても繊細なもので実際にやってみるといろいろ分かりますから大丈夫です。
しばらくぶりに現像するときの予行練習のためにも、この練習用のフィルムはしばらく取っておいた方がいいかもしれませんね。
こんなところでしょうか。失敗しちゃったらしちゃったでそれも人生。僕の人生観は「失敗は奇跡」です。同じ失敗というのはやろうと思っても2度と再現できません。
一期一会のフィルム現像を楽しみましょう!
6 Responses
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u says:
リールにフィルムを巻く作業で何本のフィルムに傷をつけてきただろう・・・
懐かしいなぁ。君の魚温度計に胸キュン。
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ichijo.nori says:
>>u
おー!現像やったことあるんだ!
ぜひまたやろうよ(笑) これは第2次フィルム隆盛だ。魚水温計、いいでしょ。
もうひとつボート型のもあります。
基本お風呂嫌いなので、そういう楽しみがないとやってられないんです。
蜜柑持ち込んで温泉蜜柑にするとかね。 -
mb says:
すごいなぁ…..一気にここまで来られましたネ!! さすが、ichijoさん!!
しかも、この記事の充実ぶり…..。いや、ichijoさんのような方が、モノクロフィルム
を始められたことは、銀塩文化の存続にとって、大きな意味を持つような気がしますヨ。
すごい!! -
ichijo.nori says:
>>mbさん
ありがとうございます!
いえいえ~ でもこれが少しでも
「やってみようかな…」という方の一助になったら嬉しいですねっ!mbさんの写真も僕の「またフィルムやってみようかな」という思いに火をつけました。
改めてありがとうございます!><
ずっと楽しみたいですよね。 -
yuko k says:
わたしが使ってたタンクと比べて、ずいぶん進化してるなぁ
わたしは、ネガの透明バーージョンみたいなのと一緒に、クルクル巻きつけてたよ。しかも、シェイカーみたいな感じではなく、野菜の水切り器みたいな感じで、薬剤入れてから、時計回り、反時計回りー、とひたすら何分か回してたな。
わりと、巻きつける作業好きだったな。笑
わたしは、はさみじゃなくて、普通に指で最後切ってたかも・・・雑・・・笑薬剤も、粉末を溶かしてたな。高校だから安いのだったか、液状のがあるなんて知らなかったー
はぁ、揃えたくなってきたー
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ichijo.nori says:
>>yuko
へぇいろんなタイプがあるんだね。
もしかしたら大量に現像するときはそういうほうがいいのかもね。巻き付ける作業、楽しいよねこれ(笑)
手で千切る!なんか玄人っぽくてかっこいい!
手で切れるものなんだ、今度やってみようかなw粉を溶かして薬液作ってる人は今でも一杯いるみたいよ。
D76とかミクロファインとか粉だよね、たしか。