先日、パソコン作業用の眼鏡 JINS PC を買いましたが、その後も使い続けています。
パソコン作業用眼鏡、JINS PC を買ってみた : *n.on.log
その中で実感したのは、着け続けて感じたことよりも「外したときのギャップ」でした。眼鏡を着け忘れてパソコンの画面に向かっているとやけに鋭さを感じてしまうんですね。ジリジリと目が疲れる感じです。とりあえず自分には合っているようなのでこれからも使うことにしました。
さて、最初に買ったのは JINS PC レンズでも効果のより高い「ライトブラウンレンズ」でした。先日の記事のファースト・インプレッションでも触れましたが、若干色味がありますので、パソコン作業の中でも色を扱う場面には向きません。
私は写真をパソコン上でいじったりしますのでこの点はひとつポイントでした。やはり色確認の際には眼鏡を上げたりして見るのですが正直煩わしい。上述の通り効果らしきものは感じていたので、レンズに色味のついていない「クリアレンズ」版も買うことにしました。
眼鏡(メガネ・めがね)通販 – JINS | 【New Air frame】MEN ウエリントン メガネ MTR-12S-005 97 [jins-jp.com]
色作業用に特化するため、フレームの色は「マットブラック」にしました(フレーム自体もちょっと違うものに)。
眼鏡の場合も試したわけではありませんが、一眼レフカメラやモニタディスプレイの枠と同じように[#1] フレームの色が白黒以外だと補色の影響とかあるんじゃないかと思った次第。同じ理屈で考えればマットブラックがベストであろう、と相成りました。(cf. 補色 – Wikipedia [wikipedia.org])
思いっきり笑っちゃってる写真であれですが。ご覧のように確かに青い光を反射しています。面白いですね。こんなこと出来るんですねぇ。プリズムの原理とか利用しているのでしょうか。
反射していなければほんと普通の伊達眼鏡という感じです。
ところが実際に使ってみると厳密には「クリア」ではないです。このへんは結構シビアなので比較しておきます。
左・クリアレンズ、右・ライトブラウンレンズ。パソコン画面の白の背景を同条件で写したものです。
こう見ると圧倒的にクリアレンズのほうが色の加味(正確には青色光の低減ですが)は少ないことが分かります。しかしそれはゼロではありません。
当然ながら青色光をカットしているわけですから、見る光は裸眼のそれとは異なります。
正確に測定する術がないのでなんとも説明に困る差なのですが、ひとつ色温度でいうと「クリアレンズでは 200K、ライトブラウンレンズでは 370K」ほど下がります 。
つまりクリアレンズでも若干ですが赤味が強くなります。また明度もごく僅かですが下がります。もちろんこれは私個人の環境でのなんとなくの結果ですから「こうなる」とは言えないものなのですが、一つだけ言えるのは「クリアレンズだからといって色の影響がないわけではない 」ということです。
ですから色の作業といっても特に厳密さの求められる DTP 分野の作業や、写真でもモニタ・キャリブレーションなどカラーマネジメントをしっかり行っているような環境での作業には向かないと思います。
その反面、ウェブで完結する色作業や写真といってもプリントするわけではないという場合には影響は軽微であり、無視していいレヴェルだと思います。
このあたり気になる方は実際に JINS のお店などで試着することをお勧めします。JINS のお店でパソコンを見せてもらえるか分かりませんが、普段使っているラップトップなどを持っていって確認するといいかもしれません。
選べる眼鏡ケースはフレームに合わせて墨色にしました。
1. ^ 一眼レフカメラやモニタディスプレイの枠と同じように
一眼レフカメラはほとんどが艶なしの黒である。最近でこそペンタックスなどはカラフルな一眼レフを出しているが、ハイアマチュアやプロといったユーザ層を意識したカメラはまず全てがマットブラック。
これはなぜかというと、接写などをした際にカメラの色が黒以外だと被写体に反射光で色乗りしてしまうから。白だったら鏡のように光をすべて反射することになり、被写体に不自然な明るさを加えてしまう。このような影響を極力排除するためにカメラの本体は撮影を第一目的に据えるとマットブラックがベスト、ということになっている。
PC のモニタディスプレイも写真向けのものなど高性能のものはほとんどが黒やグレイ。これも補色などの影響を防ぐ理由による。